Biography

 岡本直子の軌跡

 
この先の記述には、個人の過去の体験に関する記述が含まれます。読む方の心身への配慮のため、必要に応じて適宜スクロールをお控えください。

第一章|沈黙と、封じられた音楽の灯(1968年〜音大卒業後)

幼少期に芽生えた「声のよろこび」は、家庭内の緊張と沈黙の中で細く灯り続けました。成長とともに音楽は世界をひらく鍵となりましたが、心に刻まれた恐怖と喪失は、やがて声そのものを封じるほどの沈黙をもたらしました。

 

幼少期——沈黙の中に芽生えた“声”

1968年、3歳の発表会で『おもちゃのマーチ』を歌い、表現するよろこびを知りました。一方、家庭は暴力と無視が日常で、家の中では常に孤独でした。声を出すことだけが「私はここにいる」という証でした。
 

吹奏楽との出会い——クラリネットが導いた道

中学で吹奏楽部に入りクラリネットに出会います。音を重ねる歓びは外の世界へとつながり、高校は関西大会で連続金賞の強豪校へ進学。音楽の道を志す一方で、高校時代の性的被害は深い恐怖を刻みました。誰にも言えない痛みは、のちに「声を封じる」伏線となっていきます。
 

音大時代——夢と現実のはざまで

音大ではクラリネット奏者として雑誌に紹介されるなど成果を上げましたが、競争の厳しさや人間関係、自己防衛の壁が重なり、演奏するほど自分が遠のく感覚に苛まれます。卒業後、企業勤務を選び、音楽から距離を置きました。
 

愛と喪失——再び封印された“声”

社会人としての生活の中で初めて心を開ける相手と出会いますが、婚約者は事故で帰らぬ人となりました。命を宿したまま偏見にさらされ、中絶という苦しい決断を経験。母の「お前なんて産まなきゃよかった」という言葉も重なり、感情も記憶も凍りつく「無音の三年間」を過ごしました。
 

再生への伏線——沈黙の底で見えた灯

それでも、かつて支えとなった“声”は消えていませんでした。まだ自覚できない微かな灯が、やがて“誰かのための声”へと形を変え、再び音の道へ導いていきます。この沈黙は、後に続く「再生」と「錬金術」の原点となりました。


第二章|運命への回帰と世界基準の探求(1992年〜2010年)

一度閉ざした音楽は、出会いをきっかけに再び燃え上がります。世界のトップ指導者に学んだ経験は、「岡本メソッド」の技術的な背骨を形づくりました。

 

音楽家としての回帰

1992年、企業勤務の傍らで著名アーティストとの偶然の出会いが重なり、歌手としての活動を決意。1995年にはプロデューサーとの出会いを経て、本格的に音楽の世界へ復帰しました。
 

世界で保証された“声”のポテンシャル

「自分の才能はどこまで通用するのか」。その問いを胸に単身渡米。ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズやエアロスミスのスティーブン・タイラーを指導する世界的ボイストレーナー(グロリア・ベネット、マーク・バクスター)や、バークリー音楽大学のディディ・スティワートに師事しました。10年のアメリカ滞在で受けた高い評価は、自信の再生と国際的基盤の確立につながりました。


第三章|教える使命と“岡本メソッド™”の確立(2011年〜2019年)

「声は心とつながっている」。この確信が、指導者としての歩みを加速させました。姿勢・呼吸・共鳴・心理を統合し、技術を超えた“生き方”としての発声へ——。

 

IMI設立と対象の拡がり

2011年、大阪・梅田に「IMIミュージックスクール&プロダクション」を開設。ところが同年、業務提携をめぐる金銭トラブル(詐欺被害)により、約2,000万円の負債を抱える事態に直面しました。スクールの存続をかけて再建を決断し、翌2012年には大阪・心斎橋へ拠点を移し、「IMIボイストレーニング・ボーカルスクール」としてリニューアル。逆風の中でも扉を閉じることなく、夢を追うシンガー、声が出ない俳優、吃音に悩む子ども、発達特性をもつ方まで、幅広い人々が集う場へと育っていきました。
 

指導者としての覚醒——メソッドの原型

発達障害・不安障害・うつなどの課題を抱える生徒が、音楽の力で回復していく姿に伴走し、「声は心とつながっている」という確信に至りました。科学と精神性を統合する指導への志向が、メソッドの原型を生みます。そして、レッスンでは涙があふれる瞬間も多く、「声を出すことは、自分を生きること」というメッセージが受け継がれていきます。
 

現場から生まれた体系化

自身の傷と葛藤しながらも、生徒の変化に寄り添う中で「人は声を通して心を取り戻す」と確信します。やがて、姿勢・呼吸・共鳴・心理を柱とした理論が形成され、のちの岡本メソッドの骨子となりました。
 

科学的裏付けと統合

音楽療法や心理学、脳・身体・感情の連関に関する学術研究を継続的に参照し、現場で検証しながら統合。2015年、「岡本メソッド™」として正式に体系化しました。テレビ・新聞・講演などで紹介が増えても、中心にあるのは常に「目の前の一人の声」です。

家族の別れと心の整理

2016年、父との別れを経験。父の逝去に際し、父の全財産は生前贈与により親族が承継していたことを知ります。現実と向き合いながらも、父の残した音声と祈りが、自身の中に「命を継ぐ声」を呼び覚ましました。
 


第四章|命の継承と魂の探求(2020年〜未来)

パンデミック、別れ、そして祈り。試練の只中でなお声の灯を絶やさず、科学と精神の両輪で「声=祈り」へと歩みを進めます。

 

経営の現実と決断——返済直後に襲ったパンデミック

2011年に負った約2,000万円の負債を返済し終えた直後、世界は新型コロナ禍へ。事業継続と雇用維持、学びの場を守るために、新たに約1,000万円の資金を借入れ、運転資金とオンライン転換への投資に充てました。厳しい局面でも「声の灯を消さない」選択を重ねます。
 

途切れない学びと実装

コロナ禍において半数の生徒が離れる局面でも指導を止めませんでした。オンライン適応のため「PAS™(旧・教室deリモート®)」を設計し、YouTube発表会を開始。「どんな試練があっても心はつながる」という信念のもと、画面越しでも成長が続く仕組みを整えました。
 

祈りへの昇華

2025年には高野山で得度し、法名「賢直(けんじき)」を拝受。科学と精神の両輪を携え、声を「祈り」へと昇華する歩みを続けています。
 

これから——声の錬金術は続く

岡本直子の歩みは、単なる再生の物語ではありません。人はどんな闇を通っても、再び「声」とともに立ち上がれる——その生きた証を、これからも現場から示していきます。


メソッドの詳細は《Method》/実績は《Works》/ご相談は《Contact》へ。


補記|表記・商標など

  • 岡本メソッド™/PAS™ はIMIに関連する商標・サービス名です。
  • 記載の団体・役職・肩書は執筆時点の情報です。

実績と信頼性

  • メディア実績: 「探偵!ナイトスクープ」「朝日新聞取材記事」「テレビCM」などのメディア露出を通じ、その指導力と人間性が広く認められている。
  • 音楽性:塩見佳代子著書:英語deハローワーク(2)ー専門分野で活躍する人の英語コミュニケーション術(2006)にて、米国で活動するブルースシンガー&ソングライターとして、インタビュー掲載。
    米国で2枚のCDをリリース(2004/2010)。
  • 専門性: バークリー音楽大学卒(2004)、米国大学院で音楽療法・メンタルヘルスカウンセリング修士課程修了(2010)。音楽療法士として米国Spaulding リハビリ病院にてインターン研修(2009-2010)。現場力を身につける。

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科学と精神性に基づいて確立した独自のメソッドで、あなたの心の声を開放し、新たな人生のステージへと踏み出すお手伝いをします。